猫の食事量がわからない方へ!猫の年齢・体重で決める適正な餌の量と選び方、食べすぎ・食べない時の対処法も解説

猫の適正な餌の量を知ることは、健康な生活をサポートするうえで欠かせません。

しかし、猫の年齢や体重によって必要な餌の量は異なり、与え方を間違えると食べ過ぎや食欲不振などの問題も発生しがちです。

本記事では、猫の食事量の決め方から、餌の選び方や食欲に変化が見られた際の対処法まで、飼い主が迷わず選択できるように徹底解説します。

ぜひ参考にしてください。

CONTENTS

猫の適正な餌の量を決める方法

猫の適正な餌の量を決める方法を2つ紹介します。

  • 年齢と体重で餌の量を計算する
  • 食事量計算シートを活用する

さっそく見ていきましょう。

年齢と体重で餌の量を計算する

まずは、猫の年齢と体重で餌の量を計算する方法を紹介します。

計算の手順は以下のとおりです。

▼餌の適正量計算手順表

手順内容計算式
安静時のエネルギー要求量
(RER)を計算
RER=体重(キログラム)の0.75乗×70
1日あたりのエネルギー要求量
(DER)を計算
DER=RER×「係数」
※ 係数は「別表(係数表)」を参照
1日あたりの餌の量(A)を計算A=DER÷ME×100
(ME=キャットフードのパッケージに表示されている100グラムあたりのエネルギー量)

▼別表(係数表)

猫のライフステージ係数
幼若期(~3ヶ月)3.0
幼若期(4ヶ月~9ヶ月)2.5
幼若期(10ヶ月~避妊・去勢手術まで)2
成猫期(避妊・去勢手術なし)1.4
成猫期(避妊・去勢手術あり)1.2
高齢期(10歳~)1.1

参考:チボリ動物医療センター/食事量計算シート

では実際に計算してみましょう。

今回は以下の条件で、計算を行います。

  • 年齢:生後4ヶ月
  • 体重:2キログラム
  • ME(※):387キロカロリー

(※)キャットフードのパッケージに表示されている100グラムあたりのエネルギー量

生後4か月は幼若期にあたるため、係数は2.5として計算すると結果はこちらのとおりです。

  1. RER=2(キログラム)の0.75乗×70=2×2×2√√×70=117.7キロカロリー
  2. DER=117.7×2.5(係数)=294.2キロカロリー
  3. A=294.2÷387(ME)×100=76グラム

一日の必要な食事量が76グラムのため、1日3食の場合は3分割した量の25.3グラムを与えます。

このように、計算式を利用して猫にとって適正な餌の量を見極めていきましょう。

√√の計算は、iPhoneの電卓アプリを横にして「2√ⅹ」を2回押せば計算できますよ。

ご家庭の猫で計算する際は、与えているキャットフードに記載されているMEや、成長段階にあった係数を計上してくださいね。

食事量計算シートを活用する

先ほど紹介した計算式は煩雑で難しいと感じる方も多いでしょう。

そんな飼い主には、動物医療センターが提供する食事量計算シートを活用する方法がおすすめです。

出典:チボリ動物医療センター

動物医療センターのサイトでは、体重・年齢・係数を入力するだけで必要な食事量を算出してくれる、便利な計算ツールが提供されています。

日々の計測や定期的な見直しを行い、最適な餌の量を確認するよう心がけましょう。

隙間時間にすぐ確認できるため、忙しい飼い主にもおすすめの方法です。

猫の餌の種類と与え方のポイント

猫の餌は、以下の4つに大きく分類されます。

  • 総合栄養食
  • 一般食
  • おやつ
  • 療養食

ここでは、代表的な餌の種類を紹介するとともに、与え方のポイントについてもあわせて解説します。

総合栄養食

出典:Amazon

総合栄養食は猫の主食として栄養バランスが整った餌で、ドライフードとウェットフードに分かれます。

▼ドライフードとウェットフードの違い

フードの種類特徴
ドライフード・水分含有量10%程度
・開封後の保存性が高い
・餌の研磨作用で歯の健康維持ができる
ウェットフード・水分含有量80%~90%程度
・水分補給としても役立つ
・素材を生かした香りで食べやすい

飼育環境や愛猫の好みに合わせて、与える餌のタイプを選びましょう。

総合栄養食と水があれば必要な栄養は満たされるため、毎日の主食として与えるようにしてください。

成猫用やシニア猫用など、それぞれの猫の特徴に合わせた総合栄養食を与えることで、健康管理もしやすくなるでしょう。

一般食

出典:Amazon

一般食は、総合栄養食の補助として与える餌です。

味や風味が豊かで食いつきがよいため、食欲が低下したときやすこし食事に変化をつけたいときに適しています。

しかし、一般食のみでは栄養が不十分であるため、総合栄養食と組み合わせて与えなければいけません。

カロリーの過剰摂取に注意しながら、少量ずつ取り入れるのがポイントと言えるでしょう。

おやつ

出典:Amazon

おやつは、猫とのコミュニケーションの一環として与えられることが多く、しつけのご褒美としても役立ちます。

適量であればどの時間帯に与えても問題ありませんが、与えすぎに注意しましょう。

おやつの適正カロリーは、DER(1日あたりのエネルギー要求量)の1〜2割程度です。

総合栄養食を食べなくなってしまわないように、1日3回までを目安に食後や間食のタイミングで与えるのがおすすめです。

療養食

出典:Amazon

療養食とは、病気や特定の健康管理が必要な猫のために栄養バランスが考慮された餌のことです。

尿路疾患、腎臓病、肥満など、さまざまな健康状態に対応した製品があり、ご家庭の猫の症状に合ったものを獣医師の指示に従って選びましょう。

療養食を与える場合は、適切な期間で与えることも大切です。

治療が成功し療養食の必要がなくなる場合もあるため、必ず獣医師と相談しながら与えてください。

なお、飼い主の独断で与えると、病気を悪化させる可能性があるため注意しましょう。

猫が餌を食べ過ぎる・必要量食べない場合の対処法

猫が過食や食欲不振に陥る場合、さまざまな対処法があります。

以下に、代表的な方法を4つ紹介します。

  • 餌をお湯でふやかす
  • 餌の種類を変える
  • 置き餌を控える
  • ストレスの原因を改善する

ぜひ餌を与える際の参考にしてください。

餌をお湯でふやかす

猫が餌を食べないときは、まずはお湯でふやかしてみましょう。

ふやかすことで香りが立ち、食欲が刺激される可能性があります。

特にドライフードの場合は水分を加えることで食べやすくなるため、食欲増進効果が期待できるでしょう。

子猫やシニア猫など、歯やあごの力が弱い猫にもおすすめの方法です。

しかし、餌をふやかすと傷みやすくなるため、まとめてふやかしたり食べ残しを放置したりしないよう注意が必要です。

猫が火傷しないように適温に冷ますことも忘れないでくださいね。

餌の種類を変える

猫の餌にはさまざまな商品があり、成分やエネルギー量も異なります。

食欲旺盛な猫にはダイエット用フード、食事量が少ない猫には高カロリーフードなど、猫の特徴によって餌の種類を変えましょう。

また、猫の食の好みは変わりやすく、同じ餌が長期間続くと飽きてしまって食べなくなることがあります。

このような場合、フレーバーや形状が違う餌を与えてみましょう。

ただし、新しい餌に変更する際は猫の負担にならないよう、少量ずつ切り替えてくださいね。

置き餌を控える

置き餌を控えるのも対処法の一つです。

置き餌をしていると猫が必要以上に食べてしまうことが多く、肥満の原因につながります。

一定の時間に食事を与え、置き餌を控えることで、猫の食事量を適切にコントロールできるでしょう。

また、置き餌されたものは風味が劣化しやすく、猫の食欲が刺激されない場合もあるようです。

餌の量や質を管理するためにも、1食分ずつ与えてあげるのがよいでしょう。

ストレスの原因を改善する

ストレスが過食や食欲不振の原因になることもあります。

ストレスの原因を改善するためにも、以下の4点を特に見直しましょう。

  • 十分な運動と遊び時間の確保
  • 適切な温度管理
  • 適度なスキンシップ
  • 適切な衛生管理

人間と同様、猫にとってもストレスは大敵です。

健康を維持するためにも、快適でリラックスできる環境を整えましょう。

猫の過食や食欲不振は病気のサイン?こんな症状ならすぐ病院へ!

適正量の餌で満足できない過食や、残してしまったり全く食べなかったりする食欲不振の症状が長引く場合は、病気のサインになっている可能性があります。

特に以下のような症状がある場合は、早めに動物病院で診察を受けましょう。

▼過食で考えられる病気の一例

猫の症状可能性のある病気
過食・てんかん発作・歩き方の異常など脳腫瘍・脳炎
過食・トイレを間違える・夜間の発生など認知症
過食にもかかわらず痩せていく甲状腺機能亢進症・膵外分泌不全

▼食欲不振で考えられる病気の一例

猫の症状可能性のある病気
食欲不振・口臭・くしゃみ歯周病・口内炎
食欲不振・嘔吐・下痢胃腸炎・感染症
食欲不振・咳・突然の後ろ足の麻痺肥大型心筋症

ストレスが原因の過食や食欲不振から、本当に病気になってしまう猫もいます。

大切なペットと長い時間を一緒に過ごすためにも、病気の原因となるストレス対策にはしっかり取り組みたいですね。

獣医師とよく相談しながら、猫のそれぞれの特性に合わせた対策を講じていきましょう。

まとめ

適正な餌の量と選び方、食べすぎ・食べない時の対処法について解説しました。

猫の餌の量は、年齢、体重、健康状態によって異なるため、必要なエネルギー量を正確な数値で測ることは、猫の健康維持のためにも非常に大切です。

また、食欲の変化が病気のサインとなる可能性もあるため、すこしでも不安に感じたら獣医師に相談するのがベストでしょう。

愛猫にとって適切な食事量を確認し、何をどの程度与えるべきか考える参考にしてください。

ライター/大谷はるか

本記事は、Webライターのオンラインスクール「ライターズプラス」の受講生作品です。

※受講生がイチから制作しており、講師や編集者の手は加えていません。

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